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The piece of new life.

豊かな人生 の 片鱗

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離れていても、手を差し伸べてくれるのは人。

世界中が大変なことになってしまった。
新しい年を迎えた頃、こんなことになるとは予想もしていなかった。

年始の占いは4年に1度のラッキー年になると言っていたのに。

 

これから世界はどうなっていくんだろう。

大好きな企業やお店がピンチに立たされているという悲しみと
自分の力だけでは微々たることしかできない無力感。

なによりも、大好きな人たちと会えないまま
2週間足らずでお別れすることになるのかもしれないという恐ろしさ。

そんな想いを抱えた人たちがきっと世界中にいるのだろうと思う。
かくいう私もその気持ちに押しつぶされそうになった時期があった。

 

大変有難いことに、仕事に関して言えば急に無くなったりはしなかった。
むしろ例年の春よりもたくさんのお仕事をいただいていたので
5月に入るまではずっと忙しくさせていただいた。

でもどんなに疲れていても明け方まで眠れない時期がつらかった。
やっと眠ったと思えばおかしな夢ばかりみて目が覚める。

これはよろしくない。
というよりとてもまずい。

 

そんな焦りのようなものを感じていた時、
あるオンライン会議でクライアントが最後にぽろんと言った。

「なんかあったらすぐ言ってください。
こういう時は譲れるところは、できるだけ譲り合っていきましょうね」

何気ない一言なのだけれど、グッとくるものがあった。

その担当者も一人暮らしだからリモートワークだと流石に寂しいと言っていた。
実家も心配だけれど帰ることもできないと。

 

その通りだ。
家族がいてもこんなに不安に駆られていたのだから
一人で過ごしている人たちの不安はどれほどかと思う。

まして少し体調を崩してしまえばいつも以上に心配が募るだろうし
離れて暮らす家族を常に心配に思うだろう。

現時点で仕事もなくなっておらず、家族もいる。
何をそんなに悩んでいたのだろうと喝を入れた。

 

不安が全くなくなったと言えば嘘になるけれど
良い意味で力が抜けて、
その頃からとても穏やかな気持ちで毎日を送っているし、
ついでにかつてないほど規則正しい生活を送っている。

 

ちなみに写真は以前訪ねたブルターニュの海だ。
現地に住む友人が連れていってくれて、みんなでただただ海をみた。
その時の穏やかであったかい気持ちに似ている気がしてこの写真を選んでみた。

 

話は戻って、
この数ヶ月は何度も人の優しさに救ってもらった。

オンラインというものが割と身近に普及してくれていたおかげで
顔を見て話ができるのも良かった。

友人たちとそちらは大丈夫と確認し合い、
年に1、2回話すかどうかという海外の知人たちとも頻繁にやりとりをした。

 

両親ともよく話をするようになった気がする。

外食に出られない分、たくさん知人のお店から
テイクアウトやお取り寄せをして
家族にその人たちのことを紹介しながら味わった。

 

だんだん感染者数が少なくなり
この状況はもうすぐ終わるのかもしれないという期待もあれば、
「元どおり」はあるのだろうかという気持ちにもなる。

今窮地に立っている人もたくさんいるし、
自分も含め、これからなのかもしれないとも思う。

けれどこんなことが無ければ続いていたであろう日々は
強制終了されてしまった。

それはつらいことの方が多いけれど、
ひょっとしたら良いことだって
あるのかもしれない。

 

多くの人にとって見直しの時間が訪れたように思うし、
自分の生活の中で本当に大事なものを確認する時間にもなった。

先日お話しした方がこんなことをおっしゃった。
「こういう時こそ、その人の性格がみえる。大切にしているものがわかる」

できるなら、いま自分のてのなかにあるものを大切に
人の痛みに敏感でいられる人でありたいと願う。

 

距離をとって過ごさないといけないと言われ続けたこの時期は
不思議だけれど距離をずっと近くに感じられるような時間になった。

 

もちろん、大切な人たちに人たちに直接会って
思いきり笑って話せる日が早くくるといい。

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2020 05 21