WEB連載13年目で紙の本を
札幌で本の取次を行なっている企業、
株式会社コア・アソシエイツが運営する「北海道書店ナビ」
そこで更新されてきたのが「本のフルコース」です。
さまざまな職業人が1つテーマを決めて
それに沿った本をフルコース仕立てで5冊紹介するという
とても面白いコーナー。
実は私も以前本のイベントを開催していたご縁でお声がけをいただき、
“本をプロダクトとしても楽しむフルコース”として
大好きな装丁やビジュアルの本をご紹介させていただきました。
2010年から延べ200人近い人たちがこのフルコースを作ってきました。
それらを一つずつ取材してきたのがライターの佐藤さんです。
「本のフルコース」はWEBメディアで更新されてきましたが
一度紙の本にもしてみたいとこの度ブックデザインを担当させていただきました。
フルコース仕立てという面白さを感じてもらえる1冊に
この企画にワクワクしてしまうのは
ただ単にお題に沿った5冊を紹介するのではなく
それが料理のフルコースに見立ててある点。
前菜は軽めの入門書、メインに行くにつれて本格度が増して
最後はデザートのように余韻を楽しめるような本…
これ、考えていく側もすごく楽しいのです。
料理が一皿一皿運ばれてきて味わうように
コースが始まる前のワクワクから、
どんどんお腹いっぱいになっていくような満腹感まで
感じてもらえるといいなと思い、
表紙と裏表紙はレストランのテーブルをイメージしています。
用紙にもこだわりました。
表紙はテーブルクロスのようなTS-ギフト
本文には指のひっかかりが絶妙なモンテルキアを使用。
紙ものが好きな方にも愛でていただけるようにとみんなでセレクトしました。
そして実はカトラリーにシルバーインクを使用。
印刷を担当してくださった石田製本株式会社の技術を感じる
美しいリトルプレスになりました。
今回の冊子化に伴って新たに取材された2名のフルコースは
どちらもテーマからしてとても面白いです。
大きさは文庫本と同じサイズということは最初に決まっていて
途中までは中身のデザインも文庫に見立てるようなもので進んでいましたが
リトルプレスらしいワクワク感を加えた方が良いかもしれないと
少し方向転換して今回のデザインになりました。
なのでサイズは文庫、デザインは雑誌のような感覚で
どんどん読み進めてもらえたらと思います。
愛して止まない装丁デザイン。
今回大切な1冊に関わらせていただいた佐藤さんに感謝を込めて。